「あいまみえない(相見えない)」と「あいいれない(相容れない)」は似ているけど意味が違う言葉!徹底解説!
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日本語って、似たような言葉でも意味が全然違う!ということたくさんありますよね。
「あいまみえない」、「あいいれない」この二つの言葉はどちらも似ている言葉ですが、意味はご存知ですか?
もしかしたらなんとなく間違えて使ってしまっていたこともあるのではないでしょうか。
この似た二つの言葉、どんな漢字を使うのか?
それぞれの意味の違いは?
どんな時に使えるの?
そんな疑問にお答えします。
「あいまみえない」の漢字、意味、使用例は?
「あいまみえない」は「相見えない」と書きます。
この際、「見」という漢字は見(まみ)えないと読みます。
漢字で書かれるといまいちピンとこないですよね。
何も知らない状態でこの漢字を見ても「あいみえない」と読んでしまいそうです。
「見(まみ)える」とは、会うの謙譲語となり、「お目にかかる」や「お目通りする」、「対面する」という意味を表します。
そこに「一緒に、お互いに」という意味を持つ「相」がつくことによって、「相見える」は「お互いが対面する」の謙譲語となります。
ただし現在では謙譲語として使用されることは少なく、二者またはそれ以上の者が直接顔を合わせた時に使用されることが多いようです。
「相見えない」はその対義語(反対の意味を示す言葉)となるため、「お互いが顔を合わせることなく」という意味がふさわしいと思います。
なお、会話で使用する際は「相見えない」を使用することもありますが、文章で使用する際は「相見えることなく」という使われ方が多いように思います。
どちらも意味は同じになるので、使用する際は相手に伝わりやすい言い方を選ぶと良いでしょう。
ちなみにパソコンやスマホなどで「あいまみえる」を変換しようとすると、「合間見える」という変換結果になってしまうことが多いようです。
そのため、「あいまみえる」の漢字を「合間見える」と勘違いされている方が多数いらっしゃるのではないかと思います。
正しくは「相見える」となりますのでご注意ください。
言葉を区切る箇所が「あい・まみえる」であることを覚えておくと良いですね。
「あいいれない」の漢字、意味、使用例は?
「あいいれない」は「相容れない」と書きます。
「容」は普段「よう」と読むことが多いのですが、この漢字を訓読みすると「容れる」と読みます。
意味としては、「容認」や「寛容」などに使用されているように、「容」は
聞き入れる、受け入れる、許すまどの意味を持っています。
そのため「容れない」は「受け入れない、許さない」という意味となります。
そこに「一緒に、お互いに」という意味を持つ「相」がつくことで、「お互いに受け入れない」⇒「お互いの主張や立場が異なっているため受け入れられない、または両立しない」という意味になります。
「相容れない関係」や「両者の利害は相容れない」というような使われ方が多いですね。
ちなみに「相容れない」を使用したことわざがあります。「氷炭相容れず(ひょうたんあいいれず)」です。
「相容れない」ではなく「相容れず」と使用されていますが、どちらも同じ言葉の意味であり、ことわざとしては氷と炭火が共存できない様子から、「性質が異なり互いに受け入れられない。調和しないこと」を表しています。
ことわざから覚えると言葉の意味も覚えやすいかもしれませんね。
また、「相容れない」は似たような言葉(同義語)が結構あります。
「相反する(あいはんする)」や「水に油」、「犬猿の仲」などはよく耳にする言葉ですが、「相容れない」の同義語として使用されることが多いようです。
「相見えない」、「相容れない」の言葉の違いは?
「相見えない」や「相見えることなく」は、お互いが顔を合わせることなくという意味を表し、「相容れない」はお互いの主張や立場が異なっているため受け入れられない、または両立しないという意味を表します。
二つの言葉を比べると、言葉の響きは似ていますが、意味としてはまったく違ってきますね。
取引を例に考えると、「相見えない」や「相見えることはない」は、直接会うことのないインターネット上での取引、「相見える」は実際に顔を合わせて交渉する直接取引を表し、「相容れない」は交渉決裂、「相容れる」は交渉成立を表しているという感じでしょうか。
強引に例文を作成すると、「相容れない二人の交渉は相見えることなく終了した」となり、「お互いの主張が異なった交渉は、二人が顔を合わせることなく終了となった」となるでしょうか。
ちょっと堅苦しくて分かりづらい文になっちゃいましたね。
まとめ
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「相見(あいまみ)えない」は、「お互いが対面する」の謙譲を表すが、現在では二者またはそれ以上の者が直接顔を合わせたときに使用されることが多い。
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「相容(あいい)れない」は「お互いの主張や立場が異なっているため受け入れられない、または両立しない」という意味を表す。
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二つの言葉とも「あい・まみえる」、「あい・いれない」のように、言葉の区切る位置を理解し、漢字で考えると間違えにくくなると思います。